魂花の師走

 12月になった。正月らしい正月を迎えなければいけなような強迫観念というか、巷にそういう空気が充満しているようで、師走は、好きではない。暦が新しく始まるだけではないか。その時の公転周期上の地球の位置が特別なところにある訳でもない。
 そんなことを考えつつも、大掃除の計画を立てなければならないとか年賀状を書かなければとか、焦燥を感じてしまう。その感覚が嫌いなのだ。
 それに、寒いのが嫌いだから、冬が深まって行くのが嫌だ。
 では、正月は嫌いかというと、日本人らしく、寧ろ人並みな、正月らしい正月というものを過ごしてみたい。みたいのだが、もう十年以上、正月こそ牛馬のごとく働かなければならない職種に就いていて、だからこそ妬みという心理作用があって、正月を待つ巷の空気感が鼻につくのだろう。クリスマスツリーや頭悪そうなイルミネーションも気に障る。
 それでもやはり年末の楽しみってものがあって、それは年末魂花祭だ。そんな訳で、明日は大阪に出張る。ローソンチケットとバス乗車券はすでに握りしめている。