オルタナティヴな一日

kannou2009-08-18

 昔、サエキけんぞうがパーソナリティのラジオで、パールジャムの3枚目のアルバム「バイタロジー」が紹介されていて、買ったし一時期はよく聴いていたのだけれど、今はもうCD棚にないのは売ってしまったからなのだろう、それ以外のパールジャムのアルバムも聴いていないな、そう言えばエディ・ベッダーはディランの30周年トリビュートコンサート(あれももう15年以上前か…)にも出演していたし、フーの大ファンらしくて「『四重人格』に出会わなかったらオレは生きていなかったよ…」とか語っていたな…、とか思いながら今日の休みも「パール歯科」へ。
 90年代半ばのあの番組で、パーソナリティのサエキけんぞうオルタナティヴ勢の攻勢を好意的に捉え、「売れるものが変わってきた、本当に上質なものがオーヴァーグラウンドに上がってきた」と語っていたように記憶しているが、ではその後の2000年代のシーンはどうなったのか、どんなものがヒットしたかすら、私は知らない。齢六十八のディランの新譜がトップを取ったことだけは知っている。
 長かった治療も今日で最後。治療しながらドクターが、選挙カーが近くを通ったことをきっかけに、「選挙ですね、『どっち』に入れるか迷ってるんですよ。この前は自民に入れたけど勝ちすぎちゃってね」と話しかけてきて、接客業に政治の話はタブーだろうと思いつつ、「選挙カーが五月蝿くて敵わないですね」と当たり障りはないけれどひどく真っ当な本音で受けて、俺はその「どっち」にも入れないよって声にせずに思う。で、オルタナティヴって言葉を思い出す。
 治療が終わって、お決まりのコースでデオデオ倉敷店へチャリ走。塗料やコンパウンドなど購入。その向かいの某政党の幹事長がオーナー一族のスーパーの2階の百均店で道具を購入。増えていく塗料や道具。肝心の製作の方はあまり進んでないのだが。
 家に帰り、デオデオの袋を開けて何気なくチラシを見たら「ガンプラ1/144HGUCシリーズ30%off、さらに同品お買い上げの方には先着順で特製クリアファイルとノートブックをプレゼント」とあった。これはしまった。1/100MGの棚はいつも一通り見るのだが、1/144HGUCは滅多に見ず、このキャンペーンには気がつかなかった。しかし、1/100MGシリーズの方がキットの出来はいいのだが、部品点数が多く組み立ては大変で完成後には場所も取り、1/144HGUCでもいいんじゃないかと挫けそうになることもたまにはあるくらいで、これはその転機かと。30%offなんでビックリするほどの値引きではないが、何よりνガンダムの柄のクリアファイルとガンダム30thアニヴァーサリーのロゴ入りノートブックは欲しい。
 すぐさま片道約1,5kmの道を再チャリ走しようという勢いのところ、冷静になる自分もいて、「8月セール」のチラシに「先着順」とあるということは、半ばを少し過ぎた今日に至っては在庫切れの可能性も大であり、ひとまず電話で確認することを思いつき、やはり在庫切れという返答をもらい、二手三手先を読めた自分の戦略眼を自賛しつつ、無念というよりも、さっきまで会社でνガンダムのクリアファイルに回覧物を入れて回し、注目を集めつつ、でもしっかりクリアファイルだけは回収するために「最終、私まで」と付箋を付けなければいけないなと、思案していた自分を、哀しく思った。
 それからとりあえず昼ゴハン。実は前にΖガンダムを作った時に、リアルに昼食を食べるのを忘れ没頭し夜を迎えたことがあり、作業に入る前には腹ごしらえをすることにしている。
 一応人間らしく食事を取り、修羅の道へ。本当を言うと、そんな立派なものではなく、いつもガンプラガンプラと言ってはいるが、かなりのヘタクソで、人様に見せられるような作品ではない。
 今日の作業はまず、1/100 MG MS-06F ザク2(本当は2はローマ数字)(ver.2.0)に最後の仕上げとして「ウォッシング」を施すこと。薄めた塗料を塗って少し残して拭き取り、装甲上の汚れを表現する技法なのだが、これがやはり大失敗であった。プラモに知識のある人なら「ヨゴシですね」と理解してくれるだろうが、知らない人ならただの塗装の失敗に見えるだろう。でもドン・マイ、ネヴァー・マインド、スメルス・ライク・ティーンスピリット。先日買ったガンプラhow to 本に「自分基準」という言葉があり、それは「自分が楽しければいいのだ」と受け取った。多分、曲解している。でもいいのだ。ドゥ・イット・ユアセルフ。パンク・イズ・アティチュード。ノー・ニューヨーク。
 そんな言い訳はあらゆる物事に対して何万通りもあるんだなと思いつつ、『ノー・ニューヨーク』は結局理解できなかったし一度聴いてまた聴きたくなりもせず、売ってしまったなあ、でも分かるふりセンスあるふりもやだなあ、ガンプラには関係ないけど、とも思いつつ、ひとまずF型ザクの作業完了。
 引き続き1/144ファーストグレードのMS-06Sザク2の塗装へ。このキットは時代の流れに逆行し、成形色も単色で可動範囲も少ないという昔っぽいもの。でもプロポーションだけは今ドキ。貰ったものであったが、手間がかかるので作らずにいた。それがこの度のガンプラマイブームにあって、全塗装にチャレンジしようという気になった。
 キット自体はシャア専用に塗られることを想定しているのだが「砂漠仕様風」に塗ることにした。もちろんD型に改造するようなテクはないので、ただの色変え。こういう部分は量産機であり多種多様な仕様違いがあったザク2故の自由度の高さだ。でも実はS型が砂漠とはおかしいのかもしれない。しかしS型はノン・オプションで地上にも対応していたはずだ。(F型だって地上での運用自体は可能)それにF型J型S型の外見上の違いなんて、最近(といっても15年くらい?)できた設定だし、このザクが砂漠風でもオッケー。実はシャア専用に塗りたかったのだが、使っているタミヤ・アクリルカラーに適当な色がなく、混色するのも大変だし、色の種類が多いといってもラッカー系は手が出しづらいし、ということで、アクリルでも種類が豊富な茶色系の塗装にした。
 しかし茶色だからと言って、砂漠でもないのかもしれない。実際アニメには出ていないが、ギャビー・ハザード中佐も茶色がパーソナルカラーだし、ガルマ・ザビ坊やも茶色いザクに乗っていたと言う。彼ら以外にも茶色を好んだ指揮官(このキットはS型故にツノつきなのだ)はいてもおかしくはない。
 そんな想像の翼を広げつつ筆塗装を楽しみ、しかしラッカー系塗料よりマシとは言ってもやはり独特な臭いはあり暑い中エアコンつけずに窓を開けていても籠る臭いのため気持ち健やかならずになり、妻の帰る時間も近づいたので終了とした。
 それからF型の方のザクの撮影会。ガンプラの幸せって、物色している時か、買って帰る時か、作る時か、塗る時か、完成したのを眺める時か、撮影する時か。そのすべてなのだろうと思いつつ、シャッターを切った。
 今のところ積まれたまままだ手をつけていないキットは1/100 MG RX-78-2 ガンダム(ver.2.0)と1/100 MG RX-178 ガンダムMk-2(ver.2.0)。茶ザク完成後はMk-2行ってみようかと思う。そんで、今夜もアンメルツ。