スライド、すげぇー(後編)

kannou2009-07-13

 もう3週間も前のことなので、良かったという印象は強烈に胸に残りながら、具体的な記憶は薄れつつあるのだが…。それに「新生」ソウルフラワーユニオンについてはそこかしこで、賞賛を持って語り尽くされたようにも思う。
 そんな訳で、不安と寂しさを交えつつ迎えたライヴであったが、新ギタリスト、ヒッピーは、いい音を出していたし、かっこえいし、イケメンやしスカーフがいかすし、華もある。すげーうまい。不安も、客電が落ちて一曲目、その一瞬で払拭されたし、惚れた。
 ブルースっぽいジャムでも、しっかりと黒い。スタカンのカヴァーの二曲も、奧野の掛け合いが本当にバンドに溶け込んでいる感じがしてよかった。他には「霊柩車の窓から」は嬉しくも意外な選曲。ヒッピーのオブリガードも聴きどころで、ミホちゃんファンとしてもありがたや。「ひぐらし」よりもこの曲の方がミホちゃんに合う、と思う。「サヴァイヴァーズ・バンケット」の間奏の、音盤では三線でのフレーズを、ヒッピーがエレクトリック・ギターで弾いた瞬間に、ニヤリ。色々な場面で中川のギターもいつもと違って聴こえた。
 ヒッピーが参加したアコースティック・パルチザンは観る機会がなかったが、残念だった。ちなみに岡山で観た時は、中川、奧野、リクオだった。
 河村のギターやブズーキもキャラクターも、本当に好きだったし、以前はメンバーチェンジなど考えられはしなかった。だけども、今は、新しいユニオンを賞賛して受け止められる。
 以前から、河村には唄って欲しいと思っていた。ユニオン時代はリードヴォーカルは一曲もなかったが、コーラスで聴く限り、いい声だと感じていたし、ソロシンガーとして再出発することはいいことだと思う。
 正直にいえば、河村にはずっとベースを担当して欲しかった。河村は本来、ギタリストだったけど、ユニオンのベースはやはり河村が一番合っていると思う。なんてことをいえば、ジゲンが好きではないのかと、そんなことはなく、「極東戦線〜」のベースはジゲン以外には考えられないが、「平和に生きる権利」をライヴで聴けば、河村のベースが欲しくなる、ということなのだ。
 ところで、ユニオンのファンは何故か高木克をヒッピーとは呼ばない。私もシェイディ・ドールズのファンである妻が「ヒッピー、ヒッピー」と言っているからそれに乗っかっているだけだが、ヒッピーというニックネームがあることを知らないのだろうか。
 思い起こせば、Judeのライヴで、渡辺圭一に対して、「渡辺地獄!」と声をかけたら、他の客何人かが不審な顔で振り向いたという私の経験と、同様のことなのかもしれない。
 充実のライヴ、ファンであることの喜びを噛み締めたライヴの後、いつもは車で来るのだが珍しく新幹線で来ていたメガネくんと一緒に帰路へ。ライヴ後で二人とも耳がバカになっている状況下、どうしても話し声が大きくなり、車中、大声での音楽談義。定番の「ビートルズ・フェイヴァリット・アルバム」のクエスチョン。客観的には、イタい人達であったろう。
 ところで、九月に出るらしいライヴ盤は、すでにミックス中ということだったが、河村在籍時の音源になるということだろうか。折角だから、今回のツアーからの音源で占めてもらいたいのだけれど。