スライド、すげぇー

kannou2009-06-26

 実はマジンガーにはそれほどの思い入れはなかった。無論、「機動戦士ガンダム」をビートルズに喩えるなら、、史上初(多分)の「人が乗り込んで操縦する巨大ロボット」である「マジンガーZ」はボ・ディドリーやチャック・ベリー、それこそエルヴィスであるのかもしれず、その偉大さは認識はしていたが、見たことはなかったし、立体ものが欲しいとも(強くは)思わなかった。
 リアルタイムで記憶にあるのはシリーズ三作目「グレンダイザー」からで、民放が(最近まで)二局しかなかった高知県では再放送などの機会にも恵まれず、せいぜいTVゲームの「スーパーロボット大戦」シリーズで活躍させるくらいだった。
 原作者永井豪によるコミカライズは読んだ記憶はあるが、永井豪の持ち味であるバイオレンス描写がどうにも受け付けられなかった。(だから、デビルマンなども、読んだことはある……、という程度)
 超合金魂のシリーズは、リニューアルされて出るたびにちょっとは心惹かれてはいたが……。
 それが変わったのは、今放送中の「真マジンガー 衝撃! Z編」に心奪われてからだ。
 今回のリニューアル、というよりも完全新作として発表された「超合金魂マジンガーZ」はこの「真マジンガー 衝撃! Z編」でのデザインに準拠していて、それが強烈に魂に訴えかけたのだ。
 TVアニメ「真マジンガー 衝撃! Z編」は「マジンガーZ」のリメイクであるが、72年のアニメ版ではなく永井豪による漫画版を基に、他の永井作品のキャラクターもミックスされていて、展開は今川監督によるオリジナルな部分が多い。
 この今川泰宏監督の作品は「機動武闘伝Gガンダム」は好きだったが、「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」は受け付けなかった。
 「真マジンガー 衝撃! Z編」」の第一話も、あまりの怒涛の展開と熱量と初心者お断りな雰囲気に圧され、第二話以降見るのは躊躇われたが、それがいつのまにかハマってしまった。思えば「Gガン」も最初は認められなかった。東方不敗素手モビルスーツを倒した時、私の中の壁は崩れたのだった。掟破りな「Gガン」の突破力があったればこそ、後の「非宇宙世紀ガンダムが成り立ったのであり、ロック史的に喩えるなら、マッドチェスター・ムーヴメントだろうか、ベック・ハンセンだろうか、最初期のソウルフラワーユニオンだろうか。
 で、その今川監督の「衝撃! Z編」にハマり、どうしても超合金魂が欲しくなり、妻におねだりして、定額給付金のおかげもあり、買ってもらえた。麻生太郎には礼は言わない。
 これが初めて手にした超合金魂でもある。手にした重量感は幼年時代の超合金シリーズのそれを思い出す。
 今回の「衝撃! Z編」版の超合金魂は、ギミックは少ない(過去何種類か出た超合金魂マジンガーZはミサイルパンチやアイアンカッターのギミックがあったと記憶している)が、その代わり関節の可動部分が多い。プロポーションも最高だと思う。ただし、ホバーパイルダーの頭部への接合が弱く、ほぼ乗っているだけ状態で、ポージングしていてもポロポロ落ちるのでなくなりそうで怖い。それ以外には不満はない。
 
 
 で、ここからが本題なのだが、先週のユニオンのライヴに梅田シャングリラへ行ってきた。シャングリラと言えば、「ガンダムΖΖ」の主人公ジュドー・アーシタの出身コロニーを思い出すのだが、大阪駅に近くて、新大阪経由で新幹線で帰らなければいけない身には有難い。
 実は他のファンたちと同様に、ネット上で河村脱退の報に触れた時は大きなショックを受けた。「ビートルズの中で二番目に好きなメンバーというテーマで投票したら多分オレが選ばれるさ」とはリンゴ本人の弁だが、おそらくユニオンのメンバーの中で二番に好きなメンバーで投票しても、選ばれるのは河村であったろう。尤も、寡黙でいながら友人が多く、好人物というキャラクターはジョージの立ち位置に近いと思うが。
 ちなみに私も「二番目に好きなメンバー」を選ぶとすれば、河村だった。当然一番は、昔ヒデ坊、今ミホちゃんだ。
 ところがその時、横からPCの画面をのぞき見ていた妻が「どないしょ、どないしょ」と言って狼狽し、発泡酒を持ったまま部屋の中を周回し始めた。
 なるほど「ファンは辞めた」と言いつつも、本心はソウルフラワーユニオンが今でもやはり好きだったのだなとうれしくなった。ところが彼女は「ヒッキーが、ヒッキーが」と言っている。どうやら新メンバーの高木克のシェイディ・ドールズ以来のファンだったらしい。私は「ヒッキーって誰?宇多田?」って感じだったけど。本当は「ヒッピー」だった。「ギター、上手いの?」って聞いてみたけど、すごく上手いらしい。
 しばらく彼女の中では久しぶりにユニオンのライヴに行くかどうかとの葛藤があったようだが、結局行かないことにした。
 で、当日。結局一人で大阪へ向け倉敷を出発。日本橋へ行こうと思い、御堂筋線の難波で降りた。これが落とし穴だった。いつもは高速バスで大阪へ行くことが多く、そのバスは南海難波あたりに着く。このちょっとした違いのせいで迷子に。標識によると、日本橋には居るようなのだが、オタクな界隈の雰囲気ではない。腹も減ったので吉牛に入って会計の時に店員さんに尋ねてみたら知らなくて、もう一人いた店員も分からなくて、店内はちょっとしたパニックになって、そしたら他のお客さんが親切にも表まで出てくれて次の交差点を右ですって指差して教えてくれて、申し訳ないやら有難いやらいささか恥ずかしいやら。結局すぐ近くだった。ちょっとした盲点だった。
 でも、岡山を出るの自体が遅かったこともあり、結局ガンダム専門店一軒しか行けず。MS−06旧型ザク型ライター(目が光る)とこれまた旧ザク型汗ふきリストバンドを購入。
 そんなうちにいい時間になり、梅田へ。シャングリラには迷わず到着。MG氏とJ太郎氏と遭遇。旧ザクグッズ見せるも反応弱し。それもやむなし。会場内でメガネ君に背後から斬撃される。今日は来ない予定と聞いていたので、再会を祝す。MG氏の知人の高知の人を紹介される。地元出身ではないが、高知在住は長いそう。以前私は「四国一のファン」を自称していたが、案外、そうではなかったかもしれない。四国から観に行く人などそうそういないと思っていたので。YM嬢からロングレンジ・サイコミュ攻撃。彼女は河村脱退にひどいショックを受けていたみたいなので、多少心配。本当はもっと知った人がいたかもしれないけど、ほぼソールドアウトらしき満員状態のフロアで身動きができず。
 そんなうちに、客電が落ちた。
(つづく)