春来たり

 足先がチクチクするので、尖った小石でも入っているのかと思って靴を脱いでみたら、ハチが入っていたので声をあげて驚いた。履く前に靴の中に入り込んでいたようだ。
 ハチに刺されたのはこれが初体験だった。
 腫れは大きくなくて、痛みもあまりなく、症状は軽い。靴下が厚手だったから針の刺し具合が浅かったのかもしれないし、蒸れた足の臭いに負けて攻撃力が落ちていたのかもしれない。思えば、温かいのに厚手の靴下しか見つからず、仕方なくそれを履いて出たことが、福に転じたのだった。足が臭くて得をした稀有な例であったともいえる。
 あまり痛くはないが、靴の中に入っていたのが小石でも画鋲でもなく、ハチであったことのヴィジュアルから来る精神的ショックは大きい。悪夢の種が一つ増えた。今度また刺されたらと、アナフィラキシーショックの不安もある。
 ところで、「仮面ライダーディケイド」は面白いか?日曜日に一番にすることは、HDDレコーダの中の「ディケイド」を再生することである。確かに平成ライダーが順番に登場するということは充分過ぎるほどの「引き」ではあるのだが、平成ライダーシリーズには毎年完結後に裏切られるので、期待し過ぎてはいけないと思う。伏線の未消化、設定の破綻、整合性のなさ、そんなのは毎度のことだ。毎年、見ている途中は確かに面白い。だが、最終回まで見て、釈然としないものが残るという経験は、もう何度もしてきた。