がめつうおますなあフー

 The Who来日公演@城ホールまであと3日となった。そんな訳で近頃はフーばかり聴いていて、mixiミュージックの再生履歴ランキングも急上昇。ダントツ・トップであったソウル・フラワー・ユニオンにも追いつこうかという勢いだ。
 でもでも、実は告白しますと、2004年のベスト『then and now』収録の新曲「Real Good Looking Boy」と「Old Red Wine」がつまらなかったので、2006年のアルバム『Endless Wire』も買っていなかった。さらに懺悔を続けるならば、キース死後の『face dances』『It's hard』も聴いたことはない。ピートとジョンのソロもベストしか持っていなくて、しかもロクに聴いていないし、ロジャーとキースのは完全にスルーしている。『who's next』や『tomy』『live at leeds』は2種類ずつ持っていて、『my generation』のモノ仕様は近日中に必ず買います、とはいっても、熱心なファンからは非難されるだろう。その程度なんです、としかいいようがない。
 しかし、近年のライヴでは新譜(といっても2年前のだが。)の曲も演るということを聞いたので、この前あわてて『Endless Wire』を買いに行ってきた。で、今も曲を体に叩き込んでいるところだ。正直、キツいが…。
 『face dances』『It's hard』の曲は演ったとしても「You better You bet」や「Eminence Front」くらいだろうから、ボックスセットの『Thirty Years Of Maximum R&B』だけ聴いておけばいいと思う。
 しかし、ケニー・ジョーンズ時代の曲は、このボックスですらまともに聴いていなかったのだが、悪くないってことを発見した。82年のライヴのDVDも観たが、悪くはなかった。近々、この2枚のアルバムもちゃんと聴いてみようと思う。
 キース存命の時と比べるからイカンので、別ものとして心を空にすれば、楽しめるのだ。言うまでもなくケニーもいいドラマーだし。
 そういう受けとめ方を踏まえれば、新譜もきっと楽しめるのだろう。それによく聴いてみれば、聴きごたえのある曲もある。『then and now』収録の新曲も。
 ところで、フーのアイテムは仕様が色々で、商売上手というか、がめついというか。02年についに解禁になった1stアルバム『my generation』の再発がデラックス・エディッションなのはいいが、一部トラックの欠けた「不完全な」ステレオ・ミックスのみで出しておいて、数年後にオリジナル・モノ・ミックスを出したり、何種類も微妙にミックス違いのベスト盤を連発したりして、熱心なファンでもコレクターでもない私のような人間でも同タイトルのアルバムを数枚持っていたりする。近々、『The who sell out』のデラックス・エディッションも出るらしい。このアルバムにまだアウト・テイクがあったとは意外だ。その次はいよいよ『四重人格』のデラックス盤だろうか。
 実は今持ってる『四重人格』はリマスター以前のプレスで、他のアルバムとの音質の差が辛く、リマスター盤がずっと欲しいのだが、DEが出るかもしれないので、買わずにいる。私のそういうところは、やはりコレクター気質ではない。
 フーを初めて聴いたのは二十歳を過ぎてから『Who's Better, Who's Best』だったと思う。ディランやストーンズよりははるかに後だった。当時日本でフーはビートルズストーンズに比べて知名度が低かったからだろう。当時定番のベストである『Who's Better, Who's Best』ですら対訳が付いていなかったくらいなので、レコ社も力を入れていなかったのかもしれない。今でもフーのシングル・ヒット・チューンを聴くには、同アルバムの曲順が一番しっくりくる。
 あれから15年。フーを実際に観ることができる日が来るとは夢のようだ。いつも心のどこかで「Won't Get Fooled Again」が鳴っている。そして「It's only middle age waste lamd」だ。
 ところで、藤井一彦の弾き語りソロ・アルバムも届いた。やはり一彦のギターは率直に言って上手い。黒っぽいフィーリングもあるし。