死に水代わりの煙草には俺が火をつけてやる

　同僚と日本を代表するヒーロー・オブ・ヒーローズは誰かという話になった。一番（チッチッチッ、二番目ではなく）は言うまでもなく宮内洋御大であるが、他にはバトルケニア、デンジブルー、ギャバンを演じた大葉健二、ヒーロー出演作こそ少ないが仮面ライダーという金字塔を打ち立てた藤岡弘、が挙がった。その場では、伴大介（キカイダー、イナズマン、バトルコサック）や山口豪久（ライダーマン、『電人ザボーガー』の大門豊）が挙がらなかったのはリアルタイムで見ていない世代ゆえの到らなさだった。
　そして、私は渡洋史を挙げたのだが、それについて彼は否定的見解を口にした。渡洋史は『宇宙刑事ギャバン』の終盤に宇宙刑事シャリバンとして出演してから『宇宙刑事シャリバン』に主役として、『宇宙刑事シャイダー』にまたシャリバン役で、『巨獣特捜ジャスピオン』に謎の男ブーメラン、『時空戦士スピルバン』にスピルバン役、『超人機メタルダー』にゲストでと、メタルヒーロー初期６作にすべて出演した（顔出しでは）唯一の俳優であるのに。
　これについては激論となり、一時は絶交寸前、拳を交える寸前にまでなったのだが、その後は「強敵」と書いて「とも」と読ませるような関係にステージアップした。
　ともあれ、最高のヒロインは森永奈緒美であることには互いに異論はなかったし、多分思春期前夜に宇宙刑事アニーのアクションに触れた世代なら、誰に聞いても答えは同じだろう。でも、本当に好きなのは二人とも、長澤奈央やいとうあいこだったりする。ただし、ほんとうに時代を超えられるのはアンヌ隊員ことひし美ゆり子だ。
　彼は突然『ウルトラマンレオ』の怪獣で、どれが一番強いか、などといった問いを放ってくる、本当に油断のならないおとこ（漢と書いておとこと読む）で、私にはそれに答える術はない。
　そもそも、ウルトラ怪獣の知識に関しては、てんで敵わない。ライダーでは同等、ガンダムでは私に一日の長があるだろう。今度はΖ計画におけるガンダムMk2の位置付けについて話を振ってみようかと思う。いや、そんな程度は知っているだろうか。
　喩えるなら、私がブラックコンドル結城凱だとすれば、彼は次元戦団バイラムのグレイなのだろう。