魂花 @ 大山 of 夏フェス

これがチケット

 鳥取での「大山モンド08」へ行ってきた。私にとって初めての夏フェス、そして(意外にも)初の野外で観るユニオンであった。
 出演バンドはユニオン以外は興味がなかったのでゆっくりめに出発。夏フェスの雰囲気を満喫したかったので本当は早くに出て、いくつかバンドを観つつDJステージで踊ったり、屋台で買い食いしたり、したかったのだが、しんどかったので、ラスト2組に間に合う程度にのんびり出発。妻のメインはギターパンダらしい。彼女にとっては3年ぶりくらいのユニオン。それもイヴェントでだった。ワンマンで観る気はないらしい。いっしょに魂花を観ていたのは遥か昔。
 
「今や君は河の向こうに住み / 僕には戻る橋もない」
 
 あ、これは違うバンドの唄。
 ともあれ、Nさんを乗せて倉敷を出発。ドライヴ・ミュージックはザ・バースディ。「チバの声が耐えられん」と妻が言うのでグルーヴァーズに替えた。
 北に向かうにつれて、雲が厚くなる、気温は下がる。県境を越えても、指呼にあるはずの美しい大山の山容は見えず残念。あの山頂に立ってから3年経った。それ以来登山はしていない。ふたつの理由で淋しい気持ち。
 5時頃、豪円山スキー場に到着。志賀直哉が『暗夜行路』を執筆した大山寺の門前町に「モンベルショップ」ができていた。このあたりが大山の一番メジャーな登山口でもある。でも、山から遠く離れちまった俺には関係のないことぜよ、と自嘲気味にモノローグした。
 ところで、本日は2daysの2日目だが、初日のトリはDogggystyleだった。好きなバンドではないが、『レゲミドリ』は山登りの時の俺のテーマソングだった。これまた長らく聴いていない。
 とりあえずメシをということでウロウロしていたら、見たことある一団を発見。手を振ってみたら振り返してくれた中川。彼らもメシ処を探している様子だった。
 雨が本格的になってきそうな予感もしたのでモンベルまで戻ってNさんの合羽を購入。さすがに今日は「さすらいのカッパ」は演らんだろうなと思う。新譜直前やから新曲メインかなと予想を立てた。
 ジンギスカンを食そうとレストランに入ったら、見たことある人たちに再遭遇。遠巻きに見る。楽しそうに食べていたが、何故か中川はいなかった。
 メインステージまでは遠く、霧雨の中で草地の斜面も滑る。今回はいつか行くであろうフジロックの予行演習も兼ねていた。でもやはり山中での野外はハードやね。ほんもののフジロックはもっとハードやろね。
 メインステージは1時間押しだった。ギターパンダも別に観たくはなかったので、妻たちとは別行動を取ってDJステージへ。とりあえず夏フェスらしく踊っとこうと思った。気持ちいい。流れている音楽がハウスなのかテクノなのかトランスなのかも判らないが、こういうのもいいものです。
 やっぱしんどくなって、ロッジのベンチで薄く昼寝したり踊りに戻ったり繰り返す。そんなうちに時間になった。雨もそんなに激しくはないが降り続き、気温はじわじわ下がる。では、そろそろかなと、メインステージへ出発した。
 大阪から団体で観に来た友達もいたけれど、客の多くはユニオン初体験なんじゃないだろうかと予想を立てる。というか、結構な集客で、こんなに沢山魂花のファンがいる訳はないし。
 俺は元・四国一のファン。今は倉敷一やけど。(この「岡山一」とは言わない奥ゆかしさを誉められたことがある。)合いの手のタイミングもお囃しも、すべて身に沁み入っている。それは音盤を聴いているだけでは分からないことだ。俺が魂花のライヴの愉しみ方ってものを見せてやるって気概を持って歩いた。
(つづく)