さようならオレンジの思い出箱

 東京行きの計画は、形を変えたが、進行中。家庭内大蔵省が2泊の計画に駄目を出したので、朝イチの飛行機で出て、1泊に変更になった。今の時期は割引があるので飛行機でも新幹線でも運賃は同じくらいなのだが、空港までの交通を考えると、飛行機の方がほんの少し高くつく。でも所要時間は短い。
 初めての東海道中になる予定であったが、残念だ。空路か陸路か決めかねている間に、安いプランを逃してしまった。締め切りが10日前であった。1泊のホテル代程度が得になるプランであった。大蔵省は怒ったが、その時点では如何ともしがたかった。
 今日は新しいデジカメを買った。元々買い替えの予定であったので、東京行きをその機会とした。古いデジカメは充電池がほぼ死に体で、数枚撮っただけで液晶上の電池マークが点滅していた。安い対価で下取りしてもらった。6年ほど前に買った思い出深いカメラであった。あのカメラを持って四国山地の山々に登った。石鎚山(1982m)を始め、剣山(1955m)にも、寒風山(1763m)から笹ヶ峰(1860m)を縦走したし、三嶺(1893m)にも登った。三嶺に登ったのは2004年の今頃の季節のことだった。その夏の集中豪雨で発生した土石流で高知県側からの登山道は寸断され、山の景色はいたるところで変わったらしい。それ自体は自然のなせる業(伐採が行われているところではなかった)なので、仕方のないことである。山はそうして姿を変えていくものだ。尤も、爆弾的な集中豪雨が増えたのが人間のせいであるのなら、それは警告として捉えるべきものだ。ともあれ、それより前に登頂して写真に収められたのはラッキーであった。私はその年の冬に倉敷に引っ越したのだが、それからもドライブや旅行にはオレンジ色のデジカメは連れて行った。今日の別れは少々寂しかった。
 本当はニコンとかの一眼レフが欲しかったのだが、それは格好だけの憧れであり、事実私はその種のカメラは必要としていない。必要なのは手ブレ防止や自動補正機能なのだ。
 皇居参観もすでに申し込んで、許可を貰っている。初日は丸の内周辺だけで1日過ぎてしまいそうだ。最高裁と国会議事堂と首相官邸は見るつもりだ。国会はともかく、普通、観光客の見るところではないようにも思うのだが、近くだし、見てみたいと思う。その後は武道館を見て、靖国である。
 家の本棚で「新選組史跡紀行」という本が目に留まった。多摩はノー・マークであった。近藤や土方の故郷であったことを思い出した。しかしそこまで足を伸ばすよりも、博物館の1個でも多く見たほうが効率がいいように思う。いや、旅を効率で割り切るのは無粋でないのか。でも今回の旅のコンセプトは「江戸〜帝都」であり、多摩は江戸ではない。しかし(土佐人でありながら)俺は新選組が好きだ。とか考えながら結論に至らず。