メガネメガネのメガネくん@心斎橋クワトロ

西のオタク街

 東京のこともまだ書いていないのだが、この前の金曜日はユニオンのライヴで大阪に行って来た。1週間前に東京に行ってきたばかりなのに豪勢なことだ。わずか1週間の間に東西二都を制覇するとは、俺って日本有数のイケてる男だとバスの中で思った。
 今回のメインは日本橋、通称ポンバシだ。「西の秋葉原」である。特に何を買う訳でもなかったが、見るだけで楽しい。
 通りにいくつものプラモやフィギュアの専門店が建ち並ぶ、圧倒的ボリュームの街だ。
 フィギュア専門店に行き、秋葉原に行く時に同僚に頼まれていたが買って来られなかったウルトラ怪獣のフィギュアを見つけ、購入。
 「ヒーロー玩具研究所」という店を見つけた。大葉健二が所長という設定らしい。宇宙刑事ギャバンだ。藤岡弘、と並ぶ愛媛が生んだスーパーヒーロー男優だ。
 この店は、プレミアのついた古いキャラクター玩具がメインで、貴重な品々が陳列されている。博物館を歩いているようで、見るだけでため息が出る。中には幼少時に私が持っていたおもちゃも多数あり、概ね10倍以上の値が付いている。
 ガンダム専門店を見つけた。プラモやフィギュアの品揃え豊富なのは勿論のこと、地球連邦軍ジオン軍など各軍の制服のレプリカもあり「シャア専用ジャージ」もあった。これにはかなり惹かれたが、お値段も結構なものだったのでガマンした。それに、何処に着て行くというのだ。ジョギングで着るには勿体ないし。
 レコ屋もいくつか見かけたが、入らず。昔ならエサ箱を漁ったのだろう。
 「難波から心斎橋なら歩けよ」って妻からメールが来たが、地下鉄で。だって未だにどっちの方向が心斎橋か分からない。大阪は東京よりもややこしい。
 心斎橋のクラブ・クワトロ・バジーナ大尉へ。メガネくんと合流。メガネくんは元同僚である。彼はブラックミュージックが好きで、ブルースのCDをよく貸し借りしたのだが、頼んでない「つボイノリオ」やその他古いコミックソングも貸してくれて困ったものだ。つボイノリオの「極付けお万の方」や「吉田松陰物語」は大好きだが。
 彼は、理屈っぽいが論理的ではなく、神経質だがガサツで、ひがみっぽくてキレやすく、非常識かつ変人であるが、いい奴だ。何回かソウルフラワーのCDを貸したことがあって、会社を辞めてから「ライヴに行くようになった」とメールが来た。今まで見込みのありそうな奴をオルグしようとはしてきたが、成功例第一号が彼であった。「2枚目も『よく聴くと』いいですね」と言っていた。「ワタツミ〜」がおそらく生涯最大の音楽的衝撃である私には考えられない一言であった。
 たまにはおとなしく後ろの方で座って観るつもりであったが「乳母車〜」のイントロを聴いた後、気がつけば3列目くらいで踊り狂っていた。これはいつもことである。一番楽しめるライヴはやはりソウルフラワーだ。
 半年振りに見る中川はさらにメタボリックになっていた。「ロックミュージシャンは知的で痩せていないといけない」というのは私の持論だが、後者に関しては例外と思うようにしている。ミホちゃんは相変わらず美しい。ジェントルマンなルックスのジゲンも定着してきた。「さすらいのカッパ」は「もう二度とやることはない」と、中川は言っていたが、埋もれさせるには勿体ない名曲だ。
 メガネくんはどんな観方をしていたのだろう。後ろを振り返らなかったので分からない。彼は相生に車を停めて、新快速で大阪まで来たらしい。彼曰く「一番安上がりな」手段らしい。チューリップ・ハットが奇妙に似合っていた。
 前で観たので中川のベルボトムとブーツがよく見えた。だから私も、今日、久しぶりにベルボを履いてみた。5年前に買ったジーパンはきつかった。ソウルフラワーとヒートウェイヴは私にとって特別な存在であり続ける、といつもライヴを観る度に思う。
 しかし次の桃梨のツアーに岡山がないのは残念だ。
 新幹線で岡山まで帰って、在来線に乗った。総社行きだから伯備線で倉敷を通るだろうと思ったら、吉備線だった。東京でも楽勝だったのが、岡山ごときで乗り間違うとは予想外だった。妙に景色が変だと思ったが、一宮まで気がつかなかった。吉備津で降りて上りに乗り換えた。最終だったのでギリだった。こんな恥ずかしいことはない。