私的流行盛衰史

 1年前は「ウルトラマン」だった。その後「新五捕物帳」になり、半年前は「仮面ライダー」で、3ヶ月前は「スタートレック」であった。今は「スーパー戦隊」である。
 「スーパー戦隊」とは東映製作による「秘密戦隊ゴレンジャー」から三十年以上も続くヒーローもののテレビシリーズである。と、一口に言えばそうなのだが、初期二作「ゴレンジャー」と「ジャッカー電撃隊」は「スーパー戦隊シリーズ」には含まないとする見方もある。このあたりは高度に専門的な話になるので、この場では言及しないが、簡単に言うと、初期二作は原作者が石ノ森章太郎であり、「バトルフィーバーJ」以降は八手三郎、つまり原作も東映によるものである。また、「ゴレンジャー」「ジャッカー」には巨大ロボットが登場せず、現在まで続く「スーパー戦隊」のフォーマットが確立したのは明らかに「バトルフィーバー」からなのである。そもそも、ある時点(おそらく九十年代初頭)までは東映の公式的な立場は、「ゴレンジャー」「ジャッカー」は含まず、「スーパー戦隊」は「バトルフィーバー」からとなっていた。後に公式に石ノ森原作の二作を含むとなってからも、ファンの間では含めないとする立場を取る人も多い。私は、深く考えない。
 このようにマイ・ブームは移り変わるとは言っても、ブームが過ぎたら興味がなくなるのではなく、優先順位に変動があるだけだ。つまり今でもこれからもライダーもウルトラもずっと好きだ。
 現在住んでいるところでは最初からケーブルテレビが引かれていて、通常の地上波プラスいくつかのチャンネルが見られる。基本プランでは、その数はけして多くはないのだが、そのひとつに米国のドラマばかりを放映する「スーパードラマチャンネル」があり、「スタートレックヴォイジャー」が月〜金の帯で、「スタートレックエンタープライズ」が週一で放送されている。加えて、NHK-BS2では「宇宙大作戦」も毎週あって、つまり一日一本以上は消化しなければならない。レンタルした戦隊もののDVDも見なければならず、かなり大変な状況だ。仕方なく、録画はするものの「スタートレックヴォイジャー」は見ずに削除することが多い。断腸の思いである。
 こましゃっくれた餓鬼の一時期「子供っぽいから見ねぇー」とか言っていたこともあったが、概ね「スーパー戦隊」シリーズは遠くから見守ってきた。こまっしゃっくれる必要のなくなった大人になってからの方が、むしろ純粋に見ている。こまっしゃくれる前の現役の子供だった時ももちろん熱中した。ただし大人になってからは、新シリーズが始まって最初の五話くらい見て、私の中でいい評価が下せなければ、最終回まで見ないこともある。
 各個の作品について語るのは日を改めるとして、五人(あるいは三人、近年は六人の場合もある)いるのを見たら、ふいに誰が何色か考えるようになっていることはここに記しておく。