飄然とはせず、できず

本買いすぎ

 昨日は岡山市内に行って、岡山県立博物館で「高松松平家の名宝展」を見た。これは香川県立博物館の所蔵品を借りてきたもの。香川と岡山は瀬戸内を挟み近いこともあり親密な関係にある。橋も繋がっているし、テレビ局も共同だ。言い換えれば、香川は岡山の属国である。愛媛は広島の属国であるし、徳島は大阪の属国だ。四国で独立自尊、孤高であるのは高知だけだ。いつかまた侵略してやる。元亀、天正の夢。再び土佐に栄光を。その前に財政再建を。
 展示物は予想よりもはるかに少なく、でも二百円だからこんなもんか。書画がメインであった。武具は殆どなし。書画はよく分からない。でもかなり貴重なものばかり。
 県立博物館は後楽園に隣接しており、その横を岡山城の堀として旭川が流れている。このあたりの水質はかなり悪いのだが、寒中水泳をしてる一団がいた。多分学生だろう。イカ天に出たスイマーズみたいな格好で。若さはプラズマ。
 その後、日本史上最初にラーメンを食べたと言われる徳川光圀に思いを馳せつつ、ラーメンを食す。美味。スーツの学生がその先輩らしき店員と話していた。「これから就活始まるっす」
 就職活動を就活と略すようになったのはいつからだろう。私の学生時代にはそんな言い方はなかったように思う。スーツの学生は三回生だろう。ということはその先輩は四回生だろうか。スーツの学生はその店のバイト員ではないようだった。店員の方は就職先も決まって学生生活の残り僅かを最後のバイトをしているのだろうか。それとも卒業はしちゃったがフリーターになっているのだろうか。そんなことを考えた。スーツの学生はラーメンとライスと餃子で「頼み過ぎちゃったっすよ。食いきれんっす」と言っていた。プラズマじゃない。
 ヴィレッジ・ヴァンガードで気が狂いそうになる。耐えられずすぐ退散。あちこちで同時に別々の音楽を流して音が混ざり合い、不協和音とぐちゃぐちゃなリズムで気持ち悪い。店員の人はこんな環境にいてよくマトモでいられる。個々の音楽は興味深いんだけれど。じっくり見るためにこれからは耳栓を用意していこう。
 いくつか中古レコ屋を回ったがフラカンはなし。結局タワレコで「マイ・ブルー・ヘヴン」とトラッシュレーベルでのベストを購入。
 帰りにブックオフ都知事の人の芥川賞を貰った小説の文庫を購入。作家としてはどうなのは知らなかったので。百円だったし。
 ブックオフが文化の破壊者だというのはよく耳にする。言っているのはナルシストなあの漫画家なのだが。著者印税の問題だけでなく、古参の古本屋が軒並み閉店に追い込まれる現状もある。文化への敬意も愛着もない。だから好きではないんだけど、でもどうしても利用してしまうのは市場原理というもので、新自由主義にFUCKとか言いつつしっかりとその構成要素になっている。