テキーラ・テキーラ

 昨日、ユダのライヴを岡山で観た。前にも書いたと思うが、ブランキー関連はなんか怖そうな佇まいのせいか、あまり聴いたことはなく、先日発表の「エレクトリック・レインボー」が初めてちゃんと聴いたベンジーのリーダー作であった。ロックンロールダイアリーで山口洋がユダの新譜の「冷麺」という曲に触れていたことがきっかけだった。
 「エレクトリック・レインボー」は今年ベスト5に入るヘヴィーローテーションになった。ベンジーの、難しい言葉は使っていないがシュールでたまに可愛く、それでいて繊細で剃刀のような凄みもある詞が素晴らしい。高音弦を多用するエキセントリックなギターリフも独特で、演奏はハイテンションでスリリングだ。
 で、ライヴも良かった。良かったけれど、3曲目くらいで疲れた。私の好みでは、ずっとハイテンションで貫くよりも、たまには弛緩してくれる方がいい。トークを多めに挟むとか、そういうのもあるが、音の隙間を作ってそこに風景を描けるとか、そういう部分があるから、最も好きなバンドがヒートウェイヴなのだと、再認識をした。ユニオンも張り詰めるばかりではなくて、緩くなるプレイもあるから好きなのだ。ヨコのノリのニュアンスというのもある。
 渡辺圭一は、ユダでも渡辺圭一その人であったけれど、彼の中でのミュージシャンとしての振幅は、それぞれのバンドでうまくバランスが取れているのだろう。やはり渡辺「地獄」としての彼の方が好きだ。
 会場に着くまでは、ベンジーファンとはどんな人たちなのだろうかと、ベンジーみたいに怖そ気な人たちなのだろうかと不安であったが、ユニオンやヒートウェイヴの客層と見た感じそんなに違わなかった。ダイヴは生では初めて見た。
 ベンジーってテキーラ大好きなのね。