私がレイ・ディヴィスなら…

 土佐の歴史と未来の一大叙事詩ロックオペラとして作品にするのだが。タイトルは「大土佐国の衰退ならびに滅亡」とでもしようか。3枚組の大作になるだろう。
 建依別(たけよりわけ)の降臨に始まり、前半の盛り上がりとして、「弘法大師空海室戸岬で悟りを開く」「紀貫之、土佐を去るを日記に仮名で記す」だろうか。
 「長宗我部家の覇業と滅亡」でまた盛り上がり、藩政時代の「郷士階級の辛酸」で涙を誘いつつ、龍馬を代表とする「幕末の動乱」で最高に達すだろう。その後は「明治藩閥政府で主流になれなかったことの悲哀」や、「自由民権運動のプロテストソング」でまた泣くところ。
 よさこいで新しい土佐をその伝統に加えたところで、終演。隠しトラックとして、「土佐国、日本より独立」がある。
 ジャケはもちろんやなせたかし氏に依頼する。
 3枚組ではあるが、シングルジャケットに封入し、1枚ものの値段で売ろう。コストがオーバーなら、バンドが持とう。売れれば売れるほど赤字になろうとも…。だが再発のときには通常の値段に戻す。(話がクラッシュになってしまった)
 しかし、正直に言うと、キンクスはベストしか聴いたことがなくて、ロックオペラものはタイトルしか知らないんだけど…。キンクス・ファンの人、ゴメンなさい。
 ちなみに「土佐国、日本より独立」というのは、高知新聞からのネタである。昨年、地方自治に関する論考の連載「時の方舟 高知あすの海図」で、最後に思考実験というか、遊びとして、高知国独立というシミュレーションが行われた。それが非常に好評だったらしい。実際に高知国独立を志向している者は執筆者も含めてゼロに近いだろうが、価値ある提言であったと思う。
 しかし新聞紙上でこういう切り口で盛り上がるのは高知らしい。他のことに関しても、高知新聞は自由民権の系譜に連なる一紙として恥じない骨のあるところを見せてくれる。県の特定業者への不正融資や県警の不祥事のスクープなど。一方、高知の放送マスコミはものすごく県にも市にも気を使っているのが伝わってきて、提灯担ぎの気苦労が偲ばれる。岡山の山陽新聞は、地方欄が多い読売みたいだ。
http://www.kochi-sk.co.jp/book/sonota/tokinohakobune/top.htm