うみんちゅ

中ノ島大橋

三重に友人がいて、先日電話をした時に、高知県須崎市に「中ノ島」という島があるのを教えてくれた。彼は「日本の離島」なる本を座右の書にしている「離島マニア」なのである。室戸岬から足摺岬の間(つまり高知県の東の先から西の先っちょまで)には、歴代の南海地震や海底火山の噴火による津波が多いせいか、ほとんど島らしい島はない。だから、須崎市にそんな島があるのは、彼に知らされるまで知らなかった。知っていたかもしれないけれど、意識はしなかった。
彼と電話で話しながら、手元の道路地図を確認したら、確かに須崎市に「中ノ島」なる島が存在する。しかも、「本土」から橋が渡されていて、車で上陸できるようだ。(だから厳密には離島ではないのだが。)しかし、ネットで検索してみても、その島についてはほとんど情報はなく、漁港があって、島の存在自体は間違いないのだけれど、まるでヴェールに包まれているようだった。それで、妻を伴なって今日探検に出かけることにした。
太平洋に向かって伸びた半島の農道を走ると、どんどん道幅が狭くなる。対向車はまったくない。山登りに行っているような気になる1車線の曲がりくねった狭い道を何kmか走ると、やっと視界が開けて、海が見えて来た。島に向かって50m程の長さの「中ノ島大橋」が架かっている。島に上陸するとすぐに小さな漁村があった。島の外周は1.5km程度で、少ない平地部には民家が点在しているのが見えた。そこから先の道幅はさらに小さかったし、そこかしこで漁師さん達が何か作業していて、邪魔になってもいけないので、そこで引き返すことにした。
「中ノ島」という島は確かに実在して、予想通り漁村以外はなにもない島だった。山登りなど行くと、ものすごい山奥に集落があって、驚くことがあるが、似たような経験だった。