丸の内ウォーカー

 ソウル・フラワー・モノノケ・サミットがカヴァーした添田さつきの『東京節』の一番を口ずさみながら丸の内の街を歩いた。
 
 「東京の中枢は丸の内 日比谷公園 両議院
  粋な構えの帝劇に いかめし館は警視庁
  諸官省ずらりと馬場先門 海上ビルヂングに東京駅
  ポッポと出る汽車 どこへ行く
  ラメチャンタラギッチョンチョンデパイノパイノパイ
(以下略)」
 
 丸の内を歩きながらこの唄を唄うのが夢であった。
 この唄は1919年に書かれたから、関東大震災よりも前だ。ここで唄われている「両議院」とは建設中の国会議事堂だろうか。「警視庁」とマーキングされているだけで同じパトカーでも全然かっこよさがちがうなあと思いながら、今でもいかめしい警視庁庁舎を左に見て、その国会議事堂へ。参議院は会期中でなければ見学できるのだが、前々日に首相の問責決議案が出たばかりだったので、外から見るだけのつもりで行ったら、見学できた。会期は終わっていたのだろうか?
 さすがに議事堂のまわりには、50メーター毎に警視庁の機動隊員が立っている。見学の受け付けには衛視が立っていた。三権分立の原則から、国会内部の警備は警察官ではなく衛視が行うそうだ。(警察官がヘルプで出る場合もある)
 その衛視の女性がものすごくきれいだった。今朝のCAと比べても、傾向は異なるが、遜色ないほど美人であった。分類でいえば、「可愛い」かもしれない。清楚でありつつ凛としていた。思いがけず見学できることと併せて、これは思いがけない大きなプレゼントだった。
 内部の撮影は出来なかったが、建物としても凄かったし、そこに色々な歴史が刻まれたこと思えば、感慨深かった。
 案内と解説をしてくれたベテランの衛視さんにテレビで国会が映った時に参議院衆議院かを見分ける簡単な方法を教えてもらった。「字幕スーパーを見れば分かりますが、たまに間違ってますから」ということだった。ベテランだから、今まで様々な瞬間を肉眼で見てきたのだろう。与党の強行採決を援けながら…、そんなことは言っちゃいかん。どの人も親切で丁寧であった。
 予定では他に最高裁と首相公邸を見て「三権制覇」するつもりだったが、予想外に疲れたので軽く諦めて、地下鉄で「九段下」へ。セルフそば屋でそばを食す。やっぱ関東は蕎麦っしょ。時間はもう3時前であった。