砂上の楼閣、風前の灯。あるいは心裡留保。

準備オッケー!

 期せずして来月は3連休の予定が入った。ダメ元で「東京行きたいワン!」と妻にお願いしたら、交通費、宿泊費、その他お小遣いの予算が下りた。夢の「山陽道東海道ひとり旅」である。無論、妻の機嫌を損ねればこの話は流れる。端から「風前の灯」である。ケーキのひとつやふたつくらいの投資はしよう。それは、高くはつかないはずだ。
 関東ということで、もう少し足を伸ばし、栃木まで出張ろうかとも考えた。「バンダイミュージアム」である。ここには実物大のRX-78-2ガンダムが(上半身だけだが)ある。この施設は以前は千葉の松戸にあったもので、栃木に移転して以降は、ガンダムなどのキャラクターもののウェイトはあまり高くない内容になったようだ。日光東照宮なども魅力的ではあるのだが、予算や所要時間と相談して、見送ることにした。
 メインはやはり、昨年訪れるも、中に入ることの出来なかった「東京国立博物館」である。勿論もう「大徳川展」は終了しているのだが、常設展だけでも見る価値は高い。6月は「薬師寺展」が開催中である。私の大好きな奈良の地に御座すはずの、月光菩薩日光菩薩に、東の都で再会するとは、奇なものであるよ。と思えば、8日までの企画であった。まあ、また奈良に行く機会はいくらでもあろう。
 併設の「法隆寺宝物館」には、その名の通り法隆寺の宝物が保管・展示されており、それらはずっとこの場所で管理されているらしい。これも見ねば。
 その他、歴史系の博物館をちょっと探してみただけでも、かなりの数がある。
 皇居の中の見学もしたいので、予約をしておかねばならない。千代田区なら、武道館も見ておかねば。なお、足立区には「東京武道館」というものもあり、間違えないようにしないといけない。靖国も国会議事堂も必須だ。予め言っておくが、今回アキバは行かないつもり。だって、オタクじゃないし。でも行くかも。
 この前は空路だったので、今回は新幹線で行こうと思う。初めての東海道だ。
 やはり、日本の都は東京なのだ。国会も最高裁も東京にある。帝も御座す。ごめん、やっぱ京都じゃない。
 しかし、この計画は、妻の気まぐれのような返事に端を発する「砂上の楼閣」なのである。それでも今は、この想像のワクワクを楽しむのみである。否、それは些か弱気に過ぎる。もし、約束を違えたならば、最高裁まで闘おう。