ゴロゴロと

kannou2008-03-16

 やっと春らしくなり、憎っくき冬は去りぬ。というか、暖かすぎ?しかし嫌いな季節はやり過ごしたといえど、仕事は忙しくなる気配を撒き散らし、変われどやはり憎っくき季節。春と夏は好きではあるが繁忙期。
 責任というものを自覚せねばならぬ大人として社会人として、誠に恥ずべきことではあるのだが、私は真摯に切実に心底、宝くじが当たらないかなと考えている。会社員でいる必要がなくなるくらいの賞金で日々の生活の糧さえ保障されれば、晴れた日も雨の日も来る日も来る日も、本を読んで暮らす。
 購入する本は抑え気味にはしているつもりだが、すべて読み切ることは出来ず、本棚に溜まってゆく。それ以上に、本屋には興味深い本が並んでいる。
 私の読む速度は速くはなく、寧ろ遅いくらいだと思う。速読術なるものが世の中にはあり、その教室が家の近くにもあるのを知っている。ちょっと興味を持ちはするのだが、その術をして、果たして純粋に読書を楽しむことが続けられるのか、大切なものが抜け落ちてしまわぬのか、そんなことを考えるのだが、それ以前にそういう技術を学ぼうという気も最初からない。
 世の中には、読んでいる時には何が面白いのか分からなくて、でも止められず読み進んで、読み終えてから後、ずっしり来る小説というものがあり、例えば私が最近読んだ中では、それは中上健次の「岬」であり保坂和志の「この人の閾」であった。駆け足で読むものでもない。
 しかし、私は猫が怖く、猫が重要な要素の小説はどうも入り込めない。また、横浜ベイスターズはおろかプロ野球のことは何も知らない。だから保坂和志の作品には手に取り難いものも多い。