ファットな黒いジェっ子ちゃん

　ついに福山にて彼女に出会うことができた。通販で買うのも不安があり、あちこち探してはいた。また、フェンダーとの迷いもあったのだが、このモデルが欲しいと思うきっかけであった一彦の故郷である福山の楽器屋「おたまじゃくし」で見つけたのも運命的である。店主に聞くと、福山でライヴがある時は一彦本人も来るらしい。心は決まった。
　彼女の正式な名前は「Gretsch Electromatic Pro Jet G5235T」である。通称はジェっ子ちゃんにした。
　まあ、もちろん前にも書いたが、エレクトロマティックはグレッチではないという人はいるだろうし、その意見も外れてはいないだろう。音もロックジェットやデュオジェットには似てすらないし、彼女は中国生まれだ。まあ、でも一応「Gretsch」のロゴはある。そういう訳で、「俺のグレッチ」とも呼ぼう。わたくしにはこれでも充分すぎるほどです。
　スリムなヤマハのイエロー子ちゃんに慣れていると、ジェっ子ちゃんはとても重い。ハムバッカーらしく音もファットだ。
　自分の好みはシングルピックアップにあるように思っていた。喩えるならシングルは、スレンダーで華奢な感じ。でも、出るところはしっかりと出ていて欲しい。
　しかし何となくハムバッカーの音も良く思えてきていたところ。ハムバッカーは、グラマラスでダイナマイトな感じ。でも、引っ込むべきところは引っ込んでいて、メリハリが必要だ。
　このギターのフロントピックアップでハイを絞ったクリーントーンはなかなか気に入った。だけどまだあまり弾いてないので特徴は掴みきってない。でも弾きやすさは感じる。すぐに馴染んでくる感じだ。
　工場出荷時に張ってあった弦はすでに錆びていたので、さっそく張り替えてみた。で、聞いた話の通り、ビグスビーは弦交換が猛烈に面倒だった。ボールエンドをクイっと曲げればいいだけの話だったが、それに気づくまでに1本弦を無駄にした。慣れもあるだろうが、フェンダー方式（ちなみにイエロ子ちゃんもそう。）に比べれば3倍くらい時間がかかる。
　そんなこんなで、実は今日は全然練習してない。頑張って練習しますです、ハイ。
　　でも、何でギターって女性に喩えるのだろう？分かるけど、女の子には思えないなあ。「ジェットくん」という呼び方の方がしっくりくるが…。