軍港の街 今も昔も

 呉で目覚めて、「大和ミュージアム」となりの大型スーパーで朝食。ミュージアム付属の駐車場は有料なので、こちらに停めて買い物した方がおトクだった。
 店内には制服姿の自衛官がチラホラ。中高生くらいの少年も水兵風の服装。もしかしたら、自衛隊生徒かも。いくら呉でも一般の高校の制服が水兵服ではないだろう。でも、平日だから学校のある時間か。
 で、大和ミュージアムへ。500円でこれだけ見るものがあって楽しめて大満足。所要時間2時間となっていたが、3時間はいたと思う。

 まず、1/10の戦艦大和の模型がすごい。前日の実物大セットよりも、全部が再現されている分、迫力がある。大和の模型のあるスペースは吹き抜けになっていて、半地下から艦底も見えるし、上階からも見下ろせる。

 展示室へ。明治維新以降、軍港としての呉の歴史。この街が培った技術が如何に先進的であったかが分かる。そして第二次大戦前の緊張の時代へ。大和の建造が始まる。世界情勢の解説はあるが、当然、加害の歴史については触れていない。悪化する戦局、大和は活躍することなく、その生涯を鹿児島沖に終える。引き上げられた遺品の展示。その他、呉で建造された艦船の模型(1/100)の展示。敗戦後、復興期、高度成長期の呉。

 それから、修復された兵器群の展示。ゼロ戦や魚雷や砲弾の他に「特攻兵器・回天」も。
 船に関する各種科学技術を分かりやすく子供向けに解説するコーナーもあり、最後は未来に繋がる宇宙技術(IHIつながりで。)と松本零士コーナー。やはり「宇宙戦艦ヤマト」だから。
 先日も書いた通り、大和級の建造は戦略的に誤りであったし、そこにロマンチズムを求める心情に復古的ナショナリズムを感じる。

 武器や兵器というものは、その機能(つまり人殺しのための)を突き詰めるほど、格好良い形になる、という話を聞いた覚えがある。こういう兵器を見て楽しむということこそ、平和ボケであろう。そういう自覚はありつつ、軍事や戦史(近現代の軍事にはあまり詳しくはないが。)に興味がある自分自身というのは如何ともしがたい。
 ミュージアムの隣は松山や島々からの船が発着する桟橋になっていて、その向こうには海自の基地があり、何隻もの艦艇が停泊していた。