ポテチ・ブルース

 再び帰宅。シャワーを気持ちよく浴びて、愛用の「龍馬・船中八策」と書かれた湯飲みに氷を入れコーラを注いで、プリングルス開封。コーラはペプシの「NEX」という新味。コカコーラの方が美味いんだろうが、新味も気になる。プリングルスはブラック・ペッパー、これも新味。ブラック・ミュージックには合いそう。
 なんとなく、こういう風に腰を落ち着けて聴く時はCDではなくアナログであるべきだろう。そして、なんとなくだが、弾き語りではなくて、エレクトリックなモダン・ブルースの方がポテチには合うような気がする。実はモダン・ブルースのアナログはあまり持ってなくて、ハウリン・ウルフの「リアル・フォーク・ブルース」を選ぶ。フォーク・ブルース・ブームに合わせて出たアルバムで、ほんとはフォーク・ブルースではないんだが。「ロッキンチェア」とどっちか、だったが、こちらはあまり聴いたことがなかったので。ちなみにこの「ロッキンチェア」は、数年前に、ソウルフラワーユニオンのヒデ坊が京都にて経営していた「エイジアン・ラビット」という古着屋のLPコーナーで購入した。だれかメンバーのお古かもしれない。
 ヒューバート・サムリンのギターがすごくいい。実は不覚にもこの人の名前は今日知った。今までウルフは散々聴いてきたと思うのだが、ギターいいなとは思いながら、クレジットのチェックまではしていなかった。まあ、ブルースを集中的に聴き始めたのは最近なので。
 A面が終わらないうちに、小さい箱のプリングルスはなくなった。台所の棚にあったカールのチーズ味に手を伸ばした。プリングルスの小さい箱は小さ過ぎる。大きい箱は食べ過ぎになるし、難しいところ。
 やっぱりアナログはいい。特にブルースはアナログで聴くべき。(今、これを書きながらのBGMはHDDに取り込んだMP3のエルモア・ジェイムスなのだが…)
 マディも聴いて、持っているモダン・ブルースのLPは全部聴いてしまったので、趣向を変えて、ディランのブルース・カヴァー曲と原曲聴き比べ大会開幕。持ってない曲もいくつかあったが、持っている曲も多かった。この1ヶ月でブルースのレコード(CDだけど)が一気に増えた。悪魔の仕業。
 ディランといえば「アンソロジー・オブ・ザ・ディランズ・ブラックルーツ」というコンピをこの前店頭で見た。面白く有難い1枚である。でも、ほとんど持っている曲だったので、見送った。後で調べてみたら、廃盤だった。多少プレミアは付くのだろうか。
 これからディランを知りたいなあ、という人には、まず1stと最新作「ラヴ・アンド・セフト」を勧める。ボブ・ディランというシンガーの人生を貫いているものが見えるような気がする。そのディランの1stでもカヴァーされていたブラインド・ウィリー・ジョンソンを取り上げた「ブルース・ムービー・プロジェクト」の「ソウル・オブ・マン」を観た。ツタヤで借りたやつ。監督はヴィム・ヴェンダース。「ブエナビスタ・ソシアル・クラブ」の監督だが、そちらは未見。
 最初、ウィリー・ジョンソンの演奏シーンに感動。こんなクリアでしかもいいアングルのフィルムが残っているなんて、まさに超国宝級だと思ったが、実は再現フィルムだと気が付いた。音源は本物だけど。
 ベック(ハンセンの方)やボニー・レイットルー・リードによるカヴァーも秀逸。映画としても非常に面白い。