断じてアイム・ノット・ロボオタ

 あと1週間でプレステ2のゲームソフト「第3次スーパーロボット大戦α」が発売になる。待った。しかし待つのもあと少し。考えるだけでワクワクする。
 スーパーロボット大戦シリーズ(略してスパロボ)は、ファミコン時代からかれこれ13年くらいやっている。実は私にとって、ヒートウェイヴやソウルフラワーよりも長い付き合いになる。巨大ロボットという、ひとつの夢の実現である。
 スパロボシリーズはガンダムマジンガーZをはじめとした新旧ロボットアニメのヒーローたちが作品の枠を越え、同じ世界で共闘するシミュレーションゲームである。各ロボットには原作アニメと同じパイロットが乗っていて、アニメと同じ声で喋るのである。「ロケットパーンチ!」とか「アムロ、行きまーす!」とか「やらせるか!」とか。
 勿論、元々のアニメ作品は違う世界の違う物語であるのだが、ゲーム中では同じ世界で協力しあい、原作のストーリーもミックスしつつ、それぞれの作品に登場した敵組織もまたゲーム中で敵として登場する。これはまさにロボット好きにとっては夢の共演であり、魂の饗宴である。分かりやすく喩えるなら、キースムーンがドラムを叩き、ポールマッカートニーがベースを弾き、ギターはエリッククラプトンで、ヴォーカルはジョーストラマーと小島真由美がデュエットするみたいなものである。さらに喩えるなら、グルミットとスヌーピーとドナルドダックと熊のプーさんがアンパンマンとゴマちゃんに会うような世界である。
 つまり、夢の共演ではあるのだが、ひとつの物語として成立させるのは非常に難しいとも言える。ガンダムマジンガーのストーリーをミックスするのは、意外と相性が良くて、まとまりやすいようだが、さらにそれにエヴァンゲリオンやらイデオンやらマクロスなど、時代設定も雰囲気も違う作品のストーリーをミックスするのは難しいと思う。
 スパロボにもいくつかシリーズがあり、それぞれ登場作品はかぶっていても、ストーリー的には繋がりがないのだが、シリーズによって、ストーリーがまったく面白くない場合がある。ストーリーが面白くないと、ゲーム自体する気がしない。おそらくシリーズごとにシナリオライターが異なるのだと思う。今回発売される「αシリーズ」は、プレステ〜プレステ2がハードであるが、このストーリーが大変絶妙にミックスされていて、ゲーム的にも面白い。やはりプレステという最大メジャーのハードなので、製作者側も一番力を入れているのであろう。同じプレステでも「スパロボMX」や「スパロボIMPACT」というシリーズは全然面白くないと思った。
 で、今回の「第3次」はその「αシリーズ」の完結編なのである。期待は大きいが、しかし不安もある。ゲームオリジナルの主人公というのがあり、ロボットもゲームオリジナルのものに搭乗するのである。この主人公のロボットを4種類から選択してプレイするのであるが、4種類とも、デザインに好感が持てない。けばけばしい女忍者みたいなのとライオン丸みたいなのとヒゲの長い犬みたいなのなどなど。主人公はプレイヤーの分身みたいなものなので、気持ちが入り込むかどうか不安であるのがひとつ。
 それと、今回さらに参戦作品が増えて、ストーリー的なまとまりや、ゲームのバランスが保たれるのか、という不安もある。ここでも期待と不安が入り混じった気持ちで待つしかないのだ。