He had no time.

テレビ東京系の「国盗り物語」は面白かった。テレビ東京らしく低予算な作り(あの局にしては比較的高予算なのかも)で、合戦シーンなど苦労が見え隠れするが、北大路欣也の道三は言うに及ばず、渡部篤郎の光秀や意外と伊藤英明の信長などキャストがすばらしかった。何より、司馬遼太郎の原作(未読であるが)に忠実にドラマ化したようで、それが奏効している。時代背景を解説するナレーションなどそのまま原作から持ってきたようで、司馬遼本人が語っているような錯覚を覚える。昨年の「龍馬がゆく」(言うまでもなく、ラストの「近江屋−龍馬暗殺」では泣いた)も同じ手法だった。
「一挙10時間放送」なのですべて見ることはできなかったが、バラで再放送があると思う。
ところで、昨今の不況やリストラの寒風の中、上司に恵まれなかった、というより上司のめぐり合わせが悪かった光秀は、サラリーマンの間で、人気急上昇中ではないだろうか。私も長宗我部関係を除くと、この時代の武将の中では光秀が何となく一番好きなのである。有能であり、主君もそれを認め、必要とされながらも不遇で、無謀と知りつつ謀反に走らざるを得なかった悲劇性が魅力なのだろうか。それに多分「長宗我部本能寺黒幕説」(2004-04-24参照)もあってのことかもしれない。であるから、光秀を狭量の人物に描いている小説やドラマは受け入れられない。
そもそも私は信長、秀吉、家康はどれも好きではない。どれも(信長は本能寺のため未遂だが)長宗我部のカタキであるからだ。なんか、了見の狭い歴史観だな。