閑話休題

で、岡山は日本の中心地であった近畿に近いだけに、歴史が面白いのである。
「記・紀」をはじめ、今残る歴史書は「勝者」である大和朝廷によって編まれたものであるので、吉備の真実というのは判らない。全国4位の規模の前方後円墳である「造山古墳」でさえ、近年まで荒れ果てていて(あるいはかつて意図的に遺棄されたのかも)、被埋葬者が誰であるのかすら不明だ。逆に言えば、「天皇陵」と伝えられる古墳も、事実「万世一系」に連なるものであるのかどうか。宮内庁はそれらを本格的な学術調査に開くべきである。リメンバー「お前の村の踊りを踊れ!」byソウル・フラワー・ユニオン〜〜八岐大蛇のいうことにゃ歴史に大きな穴がある/神話に大きな罠がある〜〜。(ただし、「隠蔽する」という働きを含めつつも、やはり神話はある面「歴史」を語っているのであり、歴史教育の場から全否定するのも、無批判的に「礼讃」するのと同様に、「真実」から遠ざけ、また「文化」を衰退させる。「事実としての歴史」としてではなく、子供らに触れさせる機会は設けるべきだと思う)
ともあれ、吉備の豪族は、国造や郡司として、あるいは吉備真備のように朝廷内で重職に就いたり、大和朝廷に従属して以降も力を振るったようだ。
それに、山についても、中国山地の最高部から、天候が良ければ、日本海が見えるだろう。日本海の向こうにはロシアがあり、朝鮮半島がある。朝鮮半島の向こうには中国があり、そんなことに思いをはせるのも面白いだろう。
我が住む街である倉敷も、面白い場所がある。白壁の古い町並みが残っている地区があって、「美観地区」と呼ばれている。有名なのは倉敷川沿いの一角であるが、完全に観光地化してしまっている倉敷川河畔よりも、少し東に路地を抜けた本町から東町にかけての方が、趣がある。倉敷川河畔が古い町の「標本」だとすれば、本町・東町界隈は自然に古い町並みが息づいている感じがする。白壁の建物そのままに今も商売を続けている家が多いからだろう。
それに山登りと並んで、私にとって至上の愉しみであるライヴを観るためにも、関西圏に近いので良い。新幹線で日帰りも可能だ。岡山市内にはお気に入りのレコード屋が何件かある。それに、恐らく、岡山というところは、福岡と首都圏と関西圏の次に、ヒートウェイヴのファンの多いところであろう。尤も、今はレコード購入もライヴも、資金不足のため、ガマン。