中津明神山(1541m)

電柱越しに見る石鎚山

本当は「春の花の名所」である、愛媛県上浮穴郡面河村から高知県土佐郡本川村の、岩黒山(1746m)〜筒上山(1859m)〜手箱山(1806m)の縦走コースへ行きたかったところであるが、昨晩早くには眠れず、もっと近くて歩行距離の短い高知県吾川郡吾川村から愛媛県上浮穴郡柳谷村の中津明神山(1541m)に行き先を変更した。石鎚山と同じ場所にある岩黒山の登山口までは高知市内から約3時間ほどかかるが、中津明神山へは1時間半とかからずに行ける。朝起きたのは6時頃で家を出たのは7時半頃だった。いつもなら5時半には出発しているのだが、今回近く(といっても愛媛との境だが)なので、時間的余裕は充分だった。
この山は初めて登るのであったが、山頂に気象観測用のドームがあり、そこまで舗装道路が通じていることで有名で、遠くの山から見ても目立つドームというものを、是非とも近くで見てみたかった。山の中腹に「吾川スカイパーク」があり、「歩いて登る人」はそこに車を停めることになる。ここは昔はスキー場であったが、雪不足のため、現在はパラグライダーの飛行場になっている。ちょっとやってみたい。でもこわい。
歩く途上、当初の予定よりも軽い山歩きにしておいて正解だったと知る。おとといのジョギングの筋肉痛がまだ残っていた。ややおっさん化、進行否めず。
2時間弱で山頂に着いた。山頂のドームまでの車道沿いにずっと電柱があったし、ドーム脇には車が停めてあった。最初から分かっていたことではあるが、こんな山頂は興醒めだった。異世界という感じじゃない。もうこれからはこの手の山は歩いて登らないことにしよう。
しかし眺望は素晴らしかった。石鎚山や今回見送った筒上山、手箱山、そして四国中央部の主な山はほとんど見渡せたのではないだろうか。どうやら私は運がいいらしく、今回も雲も霧もなく見晴らしのよい天気だった。でも車で登った人を除き、誰にも会わない山行だった。出会った人とあいさつを交わしたり、情報交換したり、自慢話(百名山制覇!etc.)を聞かされたり、おだてられ(兄さんなら半分の時間で登れるよやってみなetc.)たり、そういうのが楽しいから、今回は寂しかった。
どうやらアケボノツツジなどの花にはまだちょっと早かったみたいで、あと2週間くらいだろうか。その点でも、今回筒上山〜手箱山を見送って正解だったかも。
「何故、山に登るのか?」誰かに訊かれた経験はないけれど、その答えは山中でいつも自問自答している。いくつかあるけれど、一番大きいのは、温泉に気持ちよく漬かるためだ。特に、下山の時など、温泉のことしか頭にない。ひどく汗をかき、乳酸を溜める。それによって、温泉に入ることは何倍もの価値を持つ。
中津明神山の山麓には中津渓谷があり、温泉「ゆの森」がある。この温泉は最高だ。
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