倒錯するのは官能的分野だけにして欲しい

笹ヶ峰方面を見上げる4/5

我々は倒錯した国に住んでいる。NGOや「良心的」ジャーナリストに対する誹謗中傷のことである。政府高官によるイラク拉致被害者とその家族への「個人攻撃」、その尻馬に乗り、あることないこと書きなぐる「御用ジャーナリズム」。問題は掏り替えられた。まるで意に沿わぬ者を排斥するための政府による世論誘導の観すらある。
「救出活動に血税」と煽るが、「自衛隊派兵」その他「対米支援」(自衛隊が輸送した米兵が殺戮をするという間接的参戦)に投入される我々の血税はそれとは比べものにならないほどの額のはずなのだが、何故問題視する人は少数派なのだろう。それとも、アメリカの傀儡政権によってイラク政情が安定した時、利権のおこぼれを頂戴してペイ出来るわという皮算用を、多くの人が支持しているからなのか。
いまだ小泉政権は高い支持率を維持しているようだ。この2件の誘拐事件を始めとするイラク情勢のさらなる不安定化、反米運動の激化、スペインやホンジュラスなどの軍の撤退、それらが、アメリカの尻馬に乗り続ける小泉政権にとっては、大きなマイナス要因になっていない。小泉という男は、「首相の地位を得る」ことと「その地位に居座り続ける」ことに絶大な才能を持っているようだ。それはまさしく「ポピュリズム」の体現であり、政治に無関心であったり疎かったりする者ほど、彼が行動的に見えたり正論を吐いているように思えるのではないかと思う。小泉政権を支持しているのは、対米隷属型ファシストか政治的無知かどちらかだ。