Route194 revisited

昨日の事であるが、私的ベスト5座に挙げられる寒風山(1763m)と笹ヶ峰(1860m)を見に行った。国道から見上げただけで、登ってはいない。暖かい日が続き(今日はまた冷え込んだようだが。)この冬の雪を山頂に戴いた姿は見納めになるかと思うと、ついついひとり車を走らせてしまった。今年は春の訪れが早いようなのだ。本当は朝から部屋の掃除をして、ジョギングして、図書館で借りている本をやっつけに読破し、たまったビデオを見てしまう予定だったのだが。
高知県側から見るそれらの山は、もう殆ど雪は解け、山肌に所々白いものを残すのみとなっていた。見上げた地点からは直線距離にして何kmかはあるので、実際にはそれなりに積雪は深いのかもしれないが、冬の終わりを感じさせた。
せっかく愛媛との県境まで来たのだから、長い長い寒風山トンネル(約5km)を抜け、愛媛県側からも眺めてみる事にした。
「高校社会科地図帳」をお持ちの方はご覧戴きたい。四国山地高知県側は南から段々と低い山の順で連なっているのに対し、愛媛側、つまり北側は瀬戸内海から狭い平野を挟んで、急に高い山々がそびえる(特に新浜市、西条市、小松町あたり)地形で、中国山地を越えてきた寒風が直に吹き込むのだ。そのあたりの山々は、登る者の実感として、稜線を越えたら寒さがまるきり違っているという事が多い。
そして、「トンネルぬけて」を唄ながら長いトンネルを貫けて、愛媛側から見た山々はやはり真っ白だった。おそらく例年の2月末であったらもっと真っ白なのだろうけれど。で、折角遠くまできたのだから、もうちょっと足を伸ばして、瀬戸内海も見る事にし、国道194号線をもう少し北へ向かった。
瀬戸内の海を見て、振り返るとそこからは石鎚山も見えた。やはり西日本最高峰は真っ白だった。愛媛側からこの山をじっくり見るのは初めてであった。本当に威厳のある山である。
雪山は、見るのには大好きなのだけれど、この前の山行で懲りたので、暖かくなるまで登山はシーズンオフとしている。「冬山こそ登山の真髄」という方も多いであろうし、私は「へたれ」「根性なし」の誹りを免れ得ないであろう。それでも、遭難の危険性倍率ドン!であるし道路の凍結もあるし何より寒いのが苦手であるので、登りたい虫に冬眠を強いているのである。
久しぶりに美しい山々の姿も見られたし、約1ヵ月後にまた登りに来るぞとの誓いを胸に、車中、ニューエストモデルとメスカリンドライヴの私撰ベストを聴いた。カメラを持って行かなかったのは悔やまれる(家を出る時はそんなところまで行くつもりはなかった)が、有意義なドライヴであった。