エアブルースギターのブルース

 岡山の紀伊国屋のギター教則本コーナーで「エアギター教則本」を見つけた。エアギターに関してはかなりのものであるとの自負があるので、軽く楽しく目を通しただけで棚に戻した。(蛇足ながら、教則本の体裁を取っているのはもちろん洒落である。紀伊国屋岡山店の店員さんは生真面目過ぎるようだ。あるいは、あえてさらに洒落として、あそこに置いたのか…)
 しかし、コピーとしてのエアギターを考えた場合、ブルースは難しい。動く資料が少ないのである。特に戦前のものは。
 サンハウスなどは60年代の「再発見」後の映像があるのだが、ロバート・ジョンソンなどはたった3枚の写真(ブラインド・レモン・ジェファーソンは1枚だったか)の写真でしか想像できないのだ。想像したとしても、原典からは程遠いもので、あるいはそのエアギタリストのオリジナルのものになっているかもしれない。でも、ブルースだから、自由な解釈でいいんじゃないか、とか思った本棚の前。というか、座って弾いているよな。ということは、エアギター的にはキツいものがある。
 マディやウルフなんかは比較的映像を目にすることが容易なので、これからはジミー・ロジャースやヒューバート・サムリンのコピーを目指そう。T-ボーン・ウォーカーの背中弾きとか。
 ホンモノのギターもエアギターみたいに思い通りに弾ければいいのにと思い悲しい夜。