Who are they ?

これを書いている今頃はもう離日しているのだろうか。昨日と一昨日「ロックオデッセイ」というフェスで再結成フーが来日していた。キースムーンとジョンエントウィッスルがいない状況でのフーなんて炭酸のないコーラのようなものではあるけれど、観たい気持ちは強かった。しかしワンマンではなく、フェスの中での持ち時間もそう長くはなさそう(1970年のワイト島などと比べて、だが)であるし、そのフェスの他の出演バンドがどうしようもなくくだらないので、幾多の困難を乗り越えてまで行こうとは思えなかった。ワンマンでの再来日があれば、たとえ職を失おうとも観に行くのだけれど。
しかし、老年に達したロジャーとピートは外見上、本当に格好悪い。(ジョンだけはダンディでナイスミドルな感じで格好良かったけど。)ストーンズなどとは比べものにならない。キースリチャーズはオッサン化してもそれ故にまた若い時とは別種の格好良さを醸し出しているのだが、二人にはそれがない。仕方がない。「マイジェネレイション」で「年老いる前に死にたいぜ」と唄った報いだ。格好悪さをさらけ出しつつこれからもフーとして活動を続けて欲しい。
しかし、2000年の録音の「ライヴ・アット・ザ・ロイヤルアルバートホール」は期待せずに聴いたのだが、ものすごくいいライヴ盤だった。特にロジャーは60・70年代よりもいいのではないかと思えるほど深みが増していたように思う。一時は難聴のためエレキギターを弾かなかったピートも現役時代(引退していた訳ではないが…)に劣らないほど弾きまくっている。ジョンのベースも冴え渡っている。そして、ドラムスのザックスターキーが違和感なくよくバンドに溶け込んでいる。現在のフーには彼以外のドラマーは考えられないと思う。リンゴスターの息子であり、子供の頃、クリスマスプレゼントとしてキースよりドラムセットを贈られたのが、彼にとって初めてのドラムであった。そして彼自身、ずっとフーのファンであった。
そんな訳で、格好悪かろうと、フーを生で観てみたい。今やジョンもいなくなったし、後任のサポートベーシストであるピノパラディーノのことはよく知らないけれど、ピートとロジャーがいる限りは「一応」フーであるのだから。