図書館バンザイ!

kannou2004-02-05

今日は借りものディ。図書館とツタヤに行った。
京極夏彦の「後巷説百物語」は、十分予測できたことだったが、やはり貸し出し中だったので、予約をしてきた。他にも何冊か読みたい小説があるのだが、どれも貸し出し中だった。京極ほど人気作家でもないので2週間経てば借りられるだろうと思い、こちらは予約はしなかった。でも、島田雅彦ってやっぱり人気作家かな?ま、予約するとしても2週間後、今日借りた本を返す時でいい。
今日借りたのは
ビートルズ音楽論―音楽学的視点から」田村和紀夫
ビートルズ―二〇世紀文化としてのロック」和久井光司
ホント、最近の私はビートルズばっかりなのだ。
前者は音楽学者による「クラシック畑」から見たビートルズ評論及び楽曲解説である。以前から手に取ってみたいとは思っていた本であったが、図書館にで見つけて、驚きとともに喜んだ。
クラシック評論の方法論で論じられるのはビートルズならではといったところか。
その筆者はクラシック畑の学者であるが、ポピュラーミュージックにも造詣が深いようで、上辺だけの理論的な解説に止まらず、ビートルズの重要なルーツである50年代のロックンロール、メンバーの人間性、製作背景や詞についても言及していて、クラシック音楽理論に詳しくなくても楽しめる。
私は、多分これは偏見というものなのだろうが、いわゆる「クラシック」と呼ばれる「ヨーロッパの古典音楽」は嫌いである。リズム軽視で権威主義のようで。
コードの概念は和声理論から出たものだし、アフロアメリカンが手にしてブルースを奏でたギターも、元々はヨーロッパの楽器だった訳で、ロックのご先祖のひとりである事は間違いないのだけど。
「クラシック」と名乗るところもどうも権威主義っぽくてイヤなのだ。ヨーロッパの古典音楽だけが音楽の本流で正統であるという主張があるようで。日本民謡もウチナー民謡もアフリカ民謡も対等に「クラシック」であるはずなのだから。
こんな印象を持つに到ったのには、取り分け私が高校の頃に読んだ早弾きヘビメタギタリストのイングウェイ・マルムスティーンのインタヴューが影を落としている。その頃は「ギターマガジン」なる雑誌を愛読していた。
「黒人が丸太で小屋を作っている時代に、ヨーロッパでは石で城を作ってたんだから、ブルースよりもクラシックの方が優れてるよ、ハハハハ」と言っていた。
まあ、これは私の思い違い記憶違いであるかもしれないが、もし事実なら、天国でジミヘンに火のついたストラトでぶん殴られればいいやと思う。
閑話休題。それで、この本であるが、こういう視点で論じられたビートルズ本を読むのは初めてなので、興味深い。しかしクラシックの用語が多いので、巻末の用語解説を何度も引かねばならず、しんどい本である。それに、クラシック理論でロック音楽を解する必然性もないような気もするのだが…
もう1冊の「ビートルズ―二〇世紀文化としてのロック」和久井光司、これは文句なく面白い。本棚にあるのを見た時にはありがちな伝記本かと思い、特に期待もせずに、和久井光司という名前はよく見かけるロック評論家なので、手には取ってみたのだが、単なる伝記に止まらず、ビートルズを通して見ることの出来るケルト文化とアフリカ文化というロックの重要なルーツにも言及している。こういう視点のビートルズ本も読んだ事はなかった。彼らが影響を受けたり与えたりしたレコードをジャケット付で紹介しているものいいし、ロック評論家としての面目躍如である。この本は買って手元にずっと持っていたい。
どちらの本もまだ軽く目を通しただけだが、大体そんな印象だった。